畑仕事と東洋哲学

野菜

「東洋哲学は学ぶというより肌で感じるもの。正しく理解したければ、農業をやりなさい。」

このような言葉を、鍼灸学校の教師や鍼灸師がよく言います。

でも、実際に畑に携わって野菜を育ててみるという事ができる人は、ほんの一握りだと思っています。


今の時代はサラリーマンをしながら兼業農家をしている人も多いといいますが、他の仕事もしながらというのはなかなか大変です。

私は畑作業のすべての工程を熟知している訳ではないのですが、実践してみるとビックリするくらい大変でした。畑仕事を甘く見ていた、と猛省。そして、どれもこれも時間がかかります。

体力的にしんどいという訳ではなく、「する事がこんなにあるのかぁ」というのが本音。むしろ、農作業で身体を動かしたらとても調子が良いです。動いてエネルギーを消費するというよりも、朝日を浴びて、澄んだ空気と大地の気に触れてパワーチャージしているような感覚です。

実はあるベテラン農家さんに「まずは自分で少しやってみたら?そしたら、大変さもわかるだろうし、本当にやりたい事が見えてくるかもよ。」と助言を頂いたのですが、正にその通りでした。


まず、自然が相手だと「今日は疲れたから休んじゃおう」「ちょっとだけ待って」が、当たり前ですが通用しません。少しでもサボったり気を抜くと、作物はすぐダメになってしまいます。

去年はたった1回、葉物の消毒をサボっただけで虫に食われて穴だらけになってしまった野菜もあり、残念な気持ちになったのと同時にキチンとしなければと痛感しました。


種類が多いと、野菜ごとに肥料や植える時期も違うので全てを覚えようと思ったら頭がこんがらがります。ネットで調べれば育成のコツなどは簡単に出てきますが、その通りに行ってもうまく育たないこともしばしば。

一筋縄ではいかない畑仕事ですが、とてもやりがいを感じます。いつか「龍樹農園」をつくって、新鮮野菜を患者さんに提供したいというのも、夢のひとつです。あらゆる面から身体を養うためには、食べることは当たり前ですがとても重要で、必要不可欠なことです。


本題を書きそびれる所でしたが、畑仕事をしているとなぜ朝イチに作業しなければならないのか等、祖母の言っている事をなんとなく肌で実感します。人間も植物も、昼夜のリズムに合わせて生きています。土いじりをすることで、そのサイクル通りに沿った活動をしていることになります。

~あとがき~

野菜づくりが過酷な理由のひとつに、おそらく我が家では家庭菜園レベルを越えて、たくさんの種類の野菜を大量に作るから、というのもあるかもしれません。祖母は毎年、ご近所や親戚の分まで食べきれないほどの量を作るので、消費できないことも。今年は面積を小さくして作ることにしました。

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