古代の色-深緋-

染織

平安時代に編纂された〈延喜式〉に載っている「深緋(ふかきあけ)」は、茜と紫根を使って染め上げた色。

聖徳太子が制定した冠位十二階では、紫に次ぐ高貴な色とされていました。

「深緋」は、こきひ、こきあけ、ふかひ、とも読みます。


紫根は「ムラサキ」という薬草の根を使用しますが、一般的には塗り薬として使用されている紫雲膏が有名です。

皮膚の炎症を鎮める働きがある紫雲膏

私たち鍼灸師も、八分灸などのお灸をする時に使用することがあります。


そして染織の先生方にご教授頂き、実際に紫根で染めた深緋がこちらになります。

平安時代の色、真ん中の色が深緋。

上側は茜、真ん中は茜と紫根、下は紫根のみで染め上げています。

あえて紫根の部分を少し広めにしました。どれも自分が納得できる色合いになって満足です。


化学染織の紫色よりも、生薬で染めた紫色の方が、丈夫だといいます。

当時から紫根は非常に貴重でしたが、それは現代でも同じです。

ニホンムラサキの種子だと思って栽培していたら、「あれ?なんか違うな…」という事例もあり、セイヨウムラサキだったり交雑したものが多いんだとか。

どうやら北海道には固有のニホンムラサキがまだどこかに自生しているようなので、フィールドワークに出かけたいのですが、熊が怖くて山に入れません。

~あとがき~

最近、実家の近くの団地でもヒグマがでました。岩見沢に住む方は、「熊注意報が解除されても、クマが捕まった訳ではないし、クマ対策をしないと歩けない町になってしまった」と呟いていました。

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