毎年周りからも言われるそうですが、「野菜を大量に作りすぎ」とのこと。
祖母は退院後、一時期は筋力が弱り歩く事すらままならなかったのですが、それでも「畑はやる」という強い意志があり、フラフラなのに車椅子や歩行器で畑に強行突破。見ているこちらがハラハラしていました。
畑は土が柔らかいので、転倒してもまだ大怪我にならずに済みますが、もちろん打ちどころが悪ければ危険です。
家族としては、元気になってほしい思いやら心配やらで、色々複雑な気持ちもありましたが、今は作業が少しできるまでに回復。

実は、「もうどうにでもなれ」「畑はやらん」と、たまに投げやりなことも呟くのですが、先月お灸をじっくりしたら、治療した次の日から元気になり、たくさん動けるようになったのです。
病院からは、自宅で取り組む健康体操・筋トレの冊子をもらいましたが、プログラムを見てみると単調なのでつまらなさそうだなあ…というのが私のぶっちゃけた本音です。
本人も、当初は足上げ体操などを少し取り組んでいましたが、三日坊主で終わってしまいました。
こういうのは家族がサポートしたり重要性を伝えなくてはいけないとは思いますが、本人が楽しみながら意欲的に取り組めるものでないと、あまり長続きしないのではないでしょうか。
結局、自宅で体操や筋トレをすることなく、お灸&畑仕事で歩けるように回復しました。
これは「お灸で筋力がついた」という訳ではなく、腰痛などの不調・しんどさが軽減されて動きやすくなった結果、畑仕事がスムーズにできるようになった、という事になります。
日常生活にしろリハビリにしろ、しんどい部分があったら、動きたくないのは当たりまえですよね。なので、不調を取り除くことも同時進行で進めていく必要があると私は考えますし、お灸には血行促進・免疫力向上の効果が期待できます。
祖母は農家時代の延長上で、畑は趣味というよりも生きがい。
なので、野菜はついたくさん作りすぎてしまうんでしょうね。
家族の私たちからみても、「道の駅に出品するのかな?」というくらい大量に作るのですが、祖父が他界してからは今までほとんど1人でつくっていたので凄いなと尊敬しています。
最近は親戚が手伝ってくれたり、我々も作業しますが、やはりどんなことも1人だと大変です。
春は芋の芽出し、サツマイモの苗増殖、他の野菜の苗づくりなどたくさん作業があります。
それに畑おこし、ビニールハウスの組み立て、…etc. やることはまだまだありますが、1人で作業すると1日あっても時間が到底足りません。なるほど、だから祖母は朝から晩までずっと作業していたのか…と、今になってようやく理解しました。
トラクターは祖父母が引退時に譲ってしまいもう手元には無いので、畑は毎年4月頃に知り合いの方にトラクターで起こしてもらっていますが、植える時にはクワで自ら土を起こしてならします。

さて、話は少し逸れましたが昔から「畑仕事をしている人は元気」「長生きする」という言葉をよく耳にします。その裏付けとして、自営農業従事者は非農業従事者より健康寿命が長いという研究結果があります。
https://www.maff.go.jp/primaff/kanko/review/attach/pdf/150728_pr66_04.pdf

私の祖母や、周りの畑友達を見ていても90代でバリバリ畑をしている方もいて「確かにその通りだな」と思う反面、60~70代で早く亡くなった農家の方々も私はたくさん知っているので、病の早期発見、病にかかった時にどうするか、というのも重要だと思っています。
健康寿命を伸ばし、やりたい事を存分に楽しみながら生きる生活の基盤づくりにも、鍼灸は重要な役割を果たします。
~あとがき~
これはずっと前から考えていたことですが、その年や季節にあった新鮮野菜を、患者さんに提供できたらいいな!ということも日頃から考えて、農作業をしています。そうすることで、本当の意味での身体のトータルケアが実現できると思います。
今年はパクチーがうまく育てば、ぜひ提供したいです。


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