ここ数年は軽自動車などで車中泊をしたりキャンプ地を巡る「女性キャンパー」が注目を浴びていますが、10年ほど前の当時は「山ガール」がブームの時代でした。
山ガールという単語すら最近はそこまで頻繁に耳にしないのですが、当時は流行りにのっかって親友と「よし、登山しよう!」という流れになり、まずは山ガール本を買ったり、初心者には何処が良いのか、何かアイテムは必要なのか、などを調べました。
ドライブ・登山計画を練っている時は、本当にワクワクするものです。
若い時は旅行関係の仕事やツアーコンダクターに興味があったため、旅程を分刻みで綿密に立てて、それがうまく遂行された時の満足感は計り知れないものでした。
今までのドライブプランは、ほぼ計画通りに進んでいましたし、それで友人に喜んでもらえるのが何より嬉しかったです。それも単なる自己満足でしかありませんが、今ではキッチリと計画を立てず、おおまかなプランだけ練ってあとは「直感力」に身を任せた旅を楽しんでいます。
直感力が正しければ、素敵なご縁や、おもしろい出来事が起きるものです。
さて、話は戻りますが「山の天気は変わりやすい」うえに、羆などの野生動物も出没する可能性もありますし、山は本当に危険です。
そういった諸々の理由から、とりあえず私が高校1年生の時の宿泊研修で登頂したことのあるビギナー向けの〈ニセコアンヌプリ〉に登ってみることになりました。
朝早く札幌を出発し、国道230号を進み中山峠を経由し、ニセコ方面へ向かいました。
車のナビ通りに進んだら山奥の軽自動車が1台しか通れないような細い道を案内され、登山口周辺が分からず、登山前から不安が募りました。
その後なんとか辿り着くことができ、駐車場に車を停め、入山前に登山者連絡ノートに名前を書いていざ出発!
「高校生の時に1度登頂している山だから、楽チンだろう」と思いつつ、気合い充分で臨んだニセコアンヌプリでしたが、登り始めてすぐにその考えが甘かったと実感するのです。
山の道は平坦ではなく、凸凹道が連なっています。当時、運動不足の私達はすぐに息切れを起こし、汗が山の冷たい空気冷えて寒気を感じて疲労も募った状態でした。
その時に「そういえば高校生の時の宿泊研修旅行の登山でも、途中リタイアしている同級生が結構いたなぁ…」というのを、ふと思い出しました。
私とは対照的で、華奢で少食な友人がこれほどまで辛そうにしているのを見たことがなかったので、「死んでしまうのではないか!?」と、本気で心配になりました。
それでも道中のかわいい植物に励まされながら、頂上を目指して登り続けました。
あともうちょっとかな?と思ったところで、大きな岩がゴロゴロあるエリアが現れ、愕然としたのを覚えています。
私達の体力不足のためかもしれませんが、「ここ、本当に初心者向けなの!?」と思いました。この時、軍手を持って行ってよかったです。
ちなみに、このクマちゃん型の熊よけの鈴を気に入って当時つけていたのですが、紛失してしまい今はどこにあるのか不明です。
登頂付近には、野いちごがありました。
やっとのことで頂上に辿り着くことができたのですが、疲労でものすごく猫背になっています。
ニセコアンヌプリから眺める蝦夷富士こと「羊蹄山」を楽しみにしていたのですが、この時霧がすごくてほとんど見えませんでした。
ションボリしながら岩の上に座ってお菓子を頬張っていると、周りの登山者の「おおーっ!!」という歓声が聞こえてきたので何事かと思いきや、霧が晴れて羊蹄山のてっぺんを一望できました。
天気は曇りの上に、雨も降りだしていましたが羊蹄山を少しでも眺めることができて本当に嬉しく、登った甲斐があったと感じました。
夏にも関わらず山の頂上はかなり涼しくて身体が冷えやすいので、あまり長居せずに下山することにしましたが、帰り道の凸凹道も身体には相当なダメージでした。
でも、下山はすごく早くてあっという間に感じました。
登山で汗を流した後は、源泉掛け流しの五色温泉!
https://goshiki-onsen.com/onsen/
今はどうなっているかわかりませんが、当時はなかなか趣のある古い温泉で、硫黄泉独特のにおいが立ち込めていました。洗い場のシャワーヘッドがポンコツで、私の場所だけだったと思うのですが洗うのがなかなか大変でした。しかしそれもまた、旅の良い思い出です。
帰り道は温泉に浸かり過ぎたのと、疲労で眠過ぎて運転が辛かったです。今思えば、旅館に1泊すればよかったですね。
登山日の翌日は仕事だったのですが、2人とも酷い全身筋肉痛で、会社の階段をまともに昇降できないほどでした。
先輩たちからも「大袈裟すぎじゃない?」「マジで?」と失笑されたのですが、その筋肉痛は3日間続き、日頃の運動不足を改めて痛感しました。
この時にもしセルフケアを知っていたら、登山もだいぶ楽だっただろうな、と思います。
紅葉の季節になったら、筋肉痛にならない程度に、どこかへ登山に行きたいですね。トレイルランニングをするランナーはすごいなぁと、思います。ちなみに、登山をしてみませんか?と院長に尋ねてみたところ、あまり乗り気ではなさそうでした。どうやら、蚊に刺されるのがイヤなようです。
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